「付加価値って何?」
いきなりですが、商品やサービスを提供しているそこのあなた、「付加価値」って何ですか?
多くの人が付加価値の意味を曖昧に捉えています。インターネットで調べても「本来の価値に加える…うんぬんかんぬん」という抽象的な表現が多く、はっきりとした定義がわからないこともあります。
さらにややこしいのは、提供する側と消費者側でその認識に違いがある点です。
極端に言えば、汎用品でも売れる商品には、購入者にとって何かしらの“付加”価値があるわけです。
前回、前々回の記事でも触れましたが、提供する側はまず付加価値を定義し、それを顧客に認知してもらうことが重要です。
この文章を読んだ後には、付加価値についての理解が深まり、自身の商品やサービスの質を高める方法、顧客満足度を上げるための具体的な方法が分かり、最終的に利益を増やすための循環ができるようになります。
価値と付加価値の違い
まず、価値と付加価値をしっかりと区別しましょう。
- 価値 = 商品やサービスを提供するために必要なすべてのコスト(材料費、人件費、光熱費、家賃など)
- 付加価値 = 売価(販売価格)と原価との差額、すなわち利益
「価値=コスト、付加価値=売値」の説明について
この記事では、「価値=コスト」「付加価値=売値」とシンプルに表現していますが、これは読者の皆さんに直感的に理解していただくための説明です。
実際の経済学やマーケティングの定義では、
付加価値とは「提供する価値全体(商品の魅力や利便性など)から、基礎となる原価を差し引いた部分」を指します。
つまり、お客様が特に魅力を感じるポイント【ブランド力や体験価値】や、競合他社との差別化要素のことです。
シンプルな説明を採用していますが、この背景も踏まえて読み進めていただければ幸いです。
は?
何言っているの?、利益が付加価値?っと思った方、今までの自分の購買行動をよく思い返してみてください。
付加価値を感じる瞬間
実際にどういう時に付加価値を感じるのでしょうか。以下の例で考えてみましょう。
- 飲食店での体験
ある金額を支払ったとき、味や雰囲気に満足すれば、「得した」「満足した」という付加価値を感じます。
逆に、期待外れであれば、付加価値は感じません。
- 車の購入
例えば、アルファードやランドクルーザーのように高級車を選ぶ理由は、単に快適に移動するためではなく、「見栄」「所有欲」や「資産価値」といった付加価値があるからです。 - スターバックスやコメダ珈琲
コーヒーを飲むとき、スターバックスやコメダ珈琲を選ぶ理由も同じです。美味しいのは確かですが、他の安価なコーヒーと比べて価格が高いのは、自己満足や見栄を満たすための付加価値があるからです。
こうやって書いてますが、私自身も食べることが好きで、よく外食や食べ物を買って食べた後に自分で付加価値があったかどうか勝手に判定したり、
車も好きなので、30後期アルファードはカッコいいな~って思ったり、
コーヒーも大好きでインスタントやペットボトルのコーヒーを毎日飲んます。もちろんスタバもコメダのコーヒーも飲みます。
付加価値をつけるには?
では、どうやって付加価値をつけるのでしょうか?
答えは簡単です。
自社の商品やサービスの特徴、他社との違いを発信し、それを強調していくことです。
そして、その認知を広めてファンを作ることが重要です。
例えば、トヨタの「アルファード」
初代から現在にかけて、少しずつ、ライバルであった他の競合車との差別化を進め、
今や「高級車」「高い資産価値」という付加価値を提供することに成功しました。
これにより、高いブランド力獲得し、高級車でありながらも圧倒的な人気と支持を得ています。
間違った付加価値
付加価値を育てることなく、間違った認識で付加価値を設定すると、売れなくなったり、顧客が離れてしまったりします。以下はその例です。
- 顧客との認識ずれ
例えば、
提供者側は「製造方法に付加価値がある」と考えても、
消費者側は「デザインや価格に価値を感じる」と思っている場合、その付加価値は伝わりません。 - 不要な特典の提供
例えば、
「Aを買うとBもCもつけます」という特典があったとしても、
消費者がBやCを必要としていない場合、逆に敬遠されることがあります。
ただし、この特典を「福袋」のような形で提供すれば、不要なものがあっても、目玉商品があれば売れるという逆転の発想が生まれます。
付加価値の育て方
付加価値を育てるためには、まず「自社の商品・サービスが他とどこが違うのか」を見極め、その違いをアピールしていくことが重要です。以下の要素を強調しましょう。
- 原材料費の強調
例:オーガニック素材や地産地消の使用 - 製造方法
例:職人技や環境に優しい製法 - 提供スタイル
例:パーソナライズサービスや利便性の向上 - 提供する空間
例:特別な雰囲気やユニークな店舗デザイン
これらの特徴を文字媒体(チラシやPOP)や動画媒体(SNSや店内放送)を使って、積極的に顧客に認知してもらいましょう。地元情報誌やラジオなどのメディアでもPRすることが効果的です。
しかし、認知には時間がかかりますので、継続的に行うことが重要です。
まとめ
付加価値とは、単なる利益やコスト差ではなく、消費者にとって「得した」と感じる要素を指します。
自社の商品・サービスを差別化するために、その特徴を強調し、顧客に認知されるように育てていくことが大切です。
付加価値の育成には時間と努力が必要ですが、正しい方法で行うことで、ブランド力を高め、最終的には利益の増加につながります。